京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学に所属する精神科医師、臨床心理士を中心に構成された研究グループです。

不妊に悩む方が、妊娠出産だけでなく、特別養子縁組・里親制度の利用や子どもをもうけずカップル2人で生活するといった選択肢を持ち、多様な家族のカタチを考えられる社会を、そしてすべての子どもが愛のある家庭で育つことのできる社会を目指しています。

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NEWS !

2025年3月29日(土)にキャンパスプラザ京都 にてシンポジウム を開催しました。

開催報告はこちらをご参照下さい。

第1回 不妊治療を受けている方の「これからの選択肢」開催報告

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目次

さまざまな家族のカタチを考える社会へ

これまで行ってきた研究

シンポジウム

研究メンバー

業績

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さまざまな家族のカタチを考える社会へ

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不妊に悩むカップルは年々増えており、今や4.4組に1組のカップルが不妊治療を受けていると報告されています。

しかし、晩婚化や晩産化の影響で全てのカップルが妊娠に至るとは限りません。

うまくいかないことが続くと、「ゴールのないマラソンを走り続けているよう」と感じるほど精神的な負担が大きくなることもあります。

私たちは、不妊治療を否定するのではなく、多様な選択肢をお伝えすることで、治療を続ける方々の心の負担を少しでも軽減したいと考えています。

特別養子縁組や里親制度の利用、子どもを持たないカップル生活といった選択肢もまた、一つの幸せの形です。

これらを知ることで、治療の途中でも気持ちが軽くなり、新しい視点が得られるかもしれません。

妊娠・出産だけにとらわれず、さまざまな家族のカタチをフラットに、柔軟に考えられる社会へ。

私たちは、一人ひとりが自分にとって最善の選択ができるよう、研究を行っています。

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これまで行ってきた研究

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不妊治療施設での実態調査

私たちは研究の第一歩として、

不妊治療施設で実子をもつこと以外の選択肢、里親や特別養子縁組制度についてどのくらい情報提供されているのか調査しました。

アンケートの結果、以下のような現状が見えてきました。

情報提供が難しい理由として、医療スタッフの「制度についての知識不足」や「人員不足」といった声も明らかになりました。

患者さんが選択肢を知るためのパンフレットを作成

医療スタッフが治療以外の選択肢についてもっと知識を深めたり、患者さんとじっくり相談できる時間を確保することが理想ですが、現実にはさまざまな制約があり、実現は難しいのが現状です。

そのため、我々は不妊治療や治療以外の選択肢について分かりやすく説明するための、産婦人科不妊治療施設で利用可能なパンフレットを作成しました。

▼2人で考える「これからの選択肢」 (京都工芸繊維大学 中野デザイン研究室 / 京都府立医科大学附属病院 精神科・心療内科 / 足立病院生殖医療センター 共同監修)

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このパンフレットを通じて、不妊治療初診患者さんに情報提供を行ったのですが

アンケート調査の結果、約半数の患者さんが初診時に治療以外の選択肢に関する情報提供に抵抗を感じていることが分かりました。(研究3

これから目指すこと

これらの結果を受けて、「多様な家族の選択肢」に関する情報提供は、不妊治療開始時だけではなく、より早期のライフステージで行うことも重要であると考えられました。

現在は以下のような取り組みを進めています:

まとめ

家族のカタチに正解はありません。

私たちは、さまざまな選択肢が尊重され、誰もが柔軟に自分に合った道を選べる社会を目指して、これからも研究を続けていきます。

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各研究の詳しい情報はこちら

【研究1】京都府内の産婦人科における里親、特別養子縁組制度についての情報提供に関するアンケート調査

【研究2】男性不妊治療施設における特別養子縁組制度・里親制度の情報提供に関するアンケート調査

【研究3】家族形成の選択肢についての情報提供パンフレットの有効性の評価


シンポジウム

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第1回 不妊治療を受けている方の「これからの選択肢」開催報告

シンポジウムでご自身の体験についてお話いただける方を随時募集しております。下記のスピーカー登録フォームよりご登録ください。

https://forms.gle/VVJRwPfmJr55HoDv9

研究者・支援者の皆様(医療関係者、社会的養護に関連する福祉関係者)の見学も受け付けております。下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

https://forms.gle/RsJSdwxAJCukWsjd8

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